CommCell® アーキテクチャ概要


概要

クライアント エージェント

Common Technology Engine

CommCell® Console

内容索引作成および検索

CommCell インストール


概要

本ソフトウェアは、重要なデータの移動や管理を容易にする強力なストレージ管理ツール セットを提供します。これらのツールを使用することによって、社内のコンピュータ システムに関連付けられたデータを格納および取得できます。

システムは統合されたソフトウェア モジュールから構成され、これらのモジュールを組み合わせて CommCell® 構成内でグループ化できます。各 CommCell 構成は、次のメイン コンポーネントから構成されています。

  • 1 つまたは複数の次のクライアント エージェント:
    • バックアップおよびリストア操作を行う iDataAgent
    • アーカイブ管理エージェント (移行アーカイブおよびリカバリ操作を行うエージェント、Compliance Archiver エージェントなど)
    • QR? ボリュームの作成およびリカバリを行う Quick Recovery ® (QR) エージェント
    • ソース クライアントから宛先クライアントにデータをレプリケートする ContinuousDataReplicator
  • 次の要素から構成される Common Technology Engine (CTE):
    • CommServe® サーバー
    • 1 つまたは複数の MediaAgent
  • ローカル ストレージ リソースに関する情報を解析しレポートするための SRM Server と SRM Agent を含む Storage Resource Manager (SRM)
  • これらの CommCell® 要素は、インストールおよび構成後に 1 つの共通の CommCell® Console から制御およびモニタできます。
  • 内容索引作成や検索コンポーネントを使用して、CommCell 全体のデータ (格納データおよびオンライン データ) をデータ検出やその他の目的のために検索することができます。

クライアント エージェント

クライアント エージェントは、特定のオペレーティング システムまたはアプリケーションのデータを保護およびリカバリするソフトウェア モジュールです。コンピュータ上にあるすべてのタイプのデータを保護するために、複数のエージェントを使用することができます。次の節では、各クライアント エージェントについて簡単に説明します。

iDataAgent

iDataAgent は、データのバックアップおよびリストア時に使用されるソフトウェア モジュールです。システムにはさまざまな iDataAgent が用意されており、それぞれ異なるタイプのデータを処理するように設計されています。使用するコンピュータに複数のタイプのデータが存在する場合、データ タイプごとに異なる iDataAgent が必要となります。たとえば、Microsoft Exchange Server がインストールされているコンピュータの場合、すべてのデータの安全を確保するには、次の iDataAgent が必要です。

この構成の場合、CommCell® Console 上では、クライアント コンピュータに 2 つの iDataAgent が表示されます。

アーカイブ管理エージェント

エージェントには、次の 2 つのタイプがあります。

Quick Recovery® Agents

Quick Recovery® エージェントは、スナップショット技術を使用して、磁気ディスクに Quick Recovery (QR) ボリュームを作成するソフトウェア モジュールです。QR? ボリュームは、数分で簡単にリカバリできます。Quick Recovery Agent は、Microsoft SQL Server、Microsoft Exchange、Oracle などの主要な高度ストレージ アプリケーションと統合でき、データ オブジェクトを正しく同期させ、リカバリを容易にします。Quick Recovery Agent では、iDataAgent による従来のバックアップおよびリストア操作を拡張し、頻繁にデータ イメージを作成でき、必要に応じて、従来の方法よりも短時間でアプリケーションをリカバリできます。これらのイメージを使用して従来のバックアップおよびリストア操作を実行する場合は、iDataAgent を使用します。

ContinuousDataReplicator エージェント

ContinuousDataReplicator (CDR) エージェントは、ソース コンピュータから宛先コンピュータにデータをほぼリアルタイムでレプリケートすることによって、アプリケーション データおよびファイル システムを保護するソフトウェア モジュールです。宛先コンピュータ側で QSnap? サービスにより作成されるスナップショットを使用してリカバリ ポイントを作成すると、高可用性のデータを安全で一貫性のある状態に保つことができます。スナップショットのマウント、共有、またはリカバリには、コピーバックを使用します。さらに、一貫性のあるファイル システム データまたはアプリケーション データのスナップショットからバックアップを作成しておくことによって、特定の時点にリカバリすることもできます。


ストレージ リソース管理 (SRM)

SRM では、ディスク、ファイル システム、ネットワーク共有などの利用可能なストレージ リソースを検出、識別、および追跡し、レポートおよびサマリの形式で詳細な解析結果を提供することができます。SRM ソフトウェアは SRM Server から構成されています。この SRM Server は種々の SRM Agent からデータを取得するレポート エンジンを備えています。SRM Agent は種々のオペレーティング システムおよびアプリケーションからデータを収集するクライアント エージェントです。


Common Technology Engine

Common Technology Engine は、クライアント エージェントの管理および運用、また CommCell® 構成に関連付けられたストレージ メディアの管理に必要なツールを提供するソフトウェア モジュールから構成されています。次の節では、Common Technology Engine のコンポーネントについて説明します。

CommServe® サーバー

CommServe® サーバーは、CommCell® コンポーネントを互いに連結し、CommCell コンポーネントを調整および管理する役割を果たします。CommServe サーバーは、CommCell 内のすべてのエージェントと通信を行い、データ保護、管理、およびリカバリ操作を開始します。同様に、メディア サブシステムを管理する必要が生じた場合は、MediaAgent と通信を行います。CommServe サーバーは、CommCell 構成に関連したすべての情報が含まれるデータベースの保守を行います。また、CommCell をコンポーネント運用および管理するためのいくつかのツールを提供します。

MediaAgent

MediaAgent は、クライアント コンピュータとストレージ メディア間のデータ転送を行います。各 MediaAgent は、ストレージ メディアを含む 1 つまたは複数のストレージ デバイスとローカルまたはリモート通信を行います。システムでは、さまざまなストレージ デバイスがサポートされています。


CommCell® Console

グラフィカル ユーザー インターフェイスである CommCell Console を使用して、CommCell 要素を制御および管理できます。CommCell Console は、次の 2 とおりの方法で実行できます。


内容索引作成および検索

内容索引作成および検索コンポーネントを使用すると、CommCell グループで検索およびデータ検出操作を実行できます。この強力なコンポーネントでは、オンライン データと格納データの両方を検索できます。管理者、コンプライアンス責任者、およびエンドユーザーは、このコンポーネントを使用することによって、CommCell 構成内のさまざまなアプリケーション (File System、Exchange、SharePoint、Lotus Notes など) からデータを検索およびリストアできます。

検索およびリストア操作は、CommCell Console または Web ベース検索コンソールのいずれかから実行することができ、これらのコンソールは堅牢かつ不可侵なセキュリティ モデルにより制御されています。


CommCell インストール

ソフトウェア全体はモジュール化されており、必要に応じて、同じまたは別のコンピュータにインストールすることもできます。CommServe と MediaAgent にそれぞれ専用のコンピュータを用意することもできます。また、CommServe のファイル システム データのバックアップを作成するために、CommServe サーバー コンピュータにクライアント ソフトウェアをインストールすることもできます。さらに、1 台のコンピュータを CommServe、MediaAgent、およびクライアントとして使用することもできます。本ソフトウェアでは、これらいずれの構成方法もサポートされています。

図は、CommCell アーキテクチャの例を示しています。

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