クライアント エージェントは、特定のオペレーティング システムまたはアプリケーションのデータを保護およびリカバリするソフトウェア モジュールです。コンピュータ上にあるすべてのタイプのデータを保護するために、複数のエージェントを使用することができます。次の節では、各クライアント エージェントについて簡単に説明します。
iDataAgent は、データのバックアップおよびリストア時に使用されるソフトウェア モジュールです。システムにはさまざまな iDataAgent が用意されており、それぞれ異なるタイプのデータを処理するように設計されています。使用するコンピュータに複数のタイプのデータが存在する場合、データ タイプごとに異なる iDataAgent が必要となります。たとえば、Microsoft Exchange Server がインストールされているコンピュータの場合、すべてのデータの安全を確保するには、次の iDataAgent が必要です。
この構成の場合、CommCell® Console 上では、クライアント コンピュータに 2 つの iDataAgent が表示されます。
エージェントには、次の 2 つのタイプがあります。
Migration Archiver Agents は、使用されていないか、または使用頻度の低いデータを定期的にホスト コンピュータから 2 次ストレージに移動するソフトウェア モジュールです。これにより、1 次ストレージのデータ サイズを減らすことができます。システムにはいくつかのエージェントが用意されており、それぞれ異なるタイプのデータを処理するように設計されています。Migration Archiver Agents は、iDataAgent によってバックアップするデータの量を減らすことで、バックアップにかかる時間を短縮します。
Compliance Archiver エージェントは、セキュリティおよびコンプライアンス標準を満たすために、長期ストレージ用に設計されたソフトウェア モジュールで、データの索引を作成します。Compliance Archiver エージェントの主な機能は、本番環境以外の場所にデータを保存することです。Compliance Archiver は、データのアーカイブおよび索引作成後、データをソース クライアントから除去します。こうすることによって、大量のデータを格納でき、後で参照することも可能となります。
Quick Recovery® エージェントは、スナップショット技術を使用して、磁気ディスクに Quick Recovery (QR) ボリュームを作成するソフトウェア モジュールです。QR? ボリュームは、数分で簡単にリカバリできます。Quick Recovery Agent は、Microsoft SQL Server、Microsoft Exchange、Oracle などの主要な高度ストレージ アプリケーションと統合でき、データ オブジェクトを正しく同期させ、リカバリを容易にします。Quick Recovery Agent では、iDataAgent による従来のバックアップおよびリストア操作を拡張し、頻繁にデータ イメージを作成でき、必要に応じて、従来の方法よりも短時間でアプリケーションをリカバリできます。これらのイメージを使用して従来のバックアップおよびリストア操作を実行する場合は、iDataAgent を使用します。
ContinuousDataReplicator (CDR) エージェントは、ソース コンピュータから宛先コンピュータにデータをほぼリアルタイムでレプリケートすることによって、アプリケーション データおよびファイル システムを保護するソフトウェア モジュールです。宛先コンピュータ側で QSnap? サービスにより作成されるスナップショットを使用してリカバリ ポイントを作成すると、高可用性のデータを安全で一貫性のある状態に保つことができます。スナップショットのマウント、共有、またはリカバリには、コピーバックを使用します。さらに、一貫性のあるファイル システム データまたはアプリケーション データのスナップショットからバックアップを作成しておくことによって、特定の時点にリカバリすることもできます。
SRM では、ディスク、ファイル システム、ネットワーク共有などの利用可能なストレージ リソースを検出、識別、および追跡し、レポートおよびサマリの形式で詳細な解析結果を提供することができます。SRM ソフトウェアは SRM Server から構成されています。この SRM Server は種々の SRM Agent からデータを取得するレポート エンジンを備えています。SRM Agent は種々のオペレーティング システムおよびアプリケーションからデータを収集するクライアント エージェントです。
![]() CommServe® サーバーCommServe® サーバーは、CommCell® コンポーネントを互いに連結し、CommCell コンポーネントを調整および管理する役割を果たします。CommServe サーバーは、CommCell 内のすべてのエージェントと通信を行い、データ保護、管理、およびリカバリ操作を開始します。同様に、メディア サブシステムを管理する必要が生じた場合は、MediaAgent と通信を行います。CommServe サーバーは、CommCell 構成に関連したすべての情報が含まれるデータベースの保守を行います。また、CommCell をコンポーネント運用および管理するためのいくつかのツールを提供します。 MediaAgentMediaAgent は、クライアント コンピュータとストレージ メディア間のデータ転送を行います。各 MediaAgent は、ストレージ メディアを含む 1 つまたは複数のストレージ デバイスとローカルまたはリモート通信を行います。システムでは、さまざまなストレージ デバイスがサポートされています。 |
グラフィカル ユーザー インターフェイスである CommCell Console を使用して、CommCell 要素を制御および管理できます。CommCell Console は、次の 2 とおりの方法で実行できます。
内容索引作成および検索コンポーネントを使用すると、CommCell グループで検索およびデータ検出操作を実行できます。この強力なコンポーネントでは、オンライン データと格納データの両方を検索できます。管理者、コンプライアンス責任者、およびエンドユーザーは、このコンポーネントを使用することによって、CommCell 構成内のさまざまなアプリケーション (File System、Exchange、SharePoint、Lotus Notes など) からデータを検索およびリストアできます。
検索およびリストア操作は、CommCell Console または Web ベース検索コンソールのいずれかから実行することができ、これらのコンソールは堅牢かつ不可侵なセキュリティ モデルにより制御されています。